建もの好き一般人による住宅建築をめぐるメモ|2021年6月〜

タテメモ

妹島和世さん“デザイン監修”のJR日立駅に行ってみた&シーバーズカフェ

2021年12月15日

2021の年の瀬、家族でスパリゾート・ハワイアンズにでかけた帰り道、ちょっと寄り道して妹島和世さんが“デザイン監修”をしているJR日立駅を見物していってきました。関東を代表する絶景スポット、日本を代表する絶景駅、世界的な名声を誇る妹島建築ということで高まる期待。結果、とてもよかったです。偶然ですが、JR日立駅の現駅舎10周年記念イベントとして、「妹島和世展-日立駅10周年記念企画展-」も開催中でした、ラッキー。

 

妹島和世(SANAA)さんについて

日本デザインコミッティー公式サイトから転載

妹島和世さんは、日本を代表する建築家です。

私が社会に出て仕事を始めた2004年は、奇しくも(?)金沢二十一世紀美術館が竣工した年。私がSANAA、つまり妹島和世さんのことを知ったのも、多くの一般人と同じくその時でした。とてもとても懐かしい。

メモ

妹島 和世(せじま かずよ)

1956年茨城県生まれ。1981年日本女子大学大学院家政学研究科を修了。1987年妹島和世建築設計事務所設立。1995年西沢立衛とともにSANAAを設立。2010年第12回ベネチアビエンナーレ国際建築展の総合ディレクターを務める。日本建築学会賞*、ベネチアビエンナーレ国際建築展金獅子賞*、プリツカー賞*、芸術文化勲章オフィシエ、紫綬褒章などを受賞。現在、ミラノ工科大学教授、横浜国立大学大学院Y-GSA教授、日本女子大学客員教授、大阪芸術大学客員教授。主な建築作品として、金沢21世紀美術館*(金沢市)、Rolexラーニングセンター*(ローザンヌ・スイス)、ルーヴル = ランス*(ランス・フランス)などがある。
*はSANAAとして。

日本デザインコミッティー公式サイトから転載

 

 

JR日立駅について

茨城県日立市は、妹島和世さんの出身地。2011年に完成したJR日立駅の新駅舎は、妹島和世さんがデザイン監修という形で携わっています。

日立駅は、日本でも屈指の“絶景駅”としてつとに有名。いつかは行ってみたいと思っていましたが、東京からだと約150kmあり、すぐ近くには目ぼしい立ち寄りスポットもなく、かなり探訪ハードル高め... 今回は、スパリゾート・ハワイアンズのついでに、えいやっ!っと高速を降りてやってきました。

 

そしてこれ。

左上のガラスの箱が日立駅。日立駅、崖上にあったのか!って感じです。これはどう考えても絶景。

この社員は、東側の駅前ロータリー脇にある崖下に降りる階段の途中から撮影しました。浮遊感というか、浮遊館。完全に空中に浮いています。崖下の住宅からすると、何もなかったはずの場所に始終中に人がたくさんいる箱が登場したことになる。どんな気持ちなんでしょうね。

これが、ロータリーからみた日立駅。東側にググッと駅舎が張り出しているのがわかります。

駅の機能としては、ロータリーまで安全に降りられればよいわけなので、半分から先(右方)は不要な部分。完全に眺望をとるための建造物です。

線路と駅舎を背に、地上レベルから真東を見るとこんな感じ。ピロティにのっかっているガラス箱は、シーバーズカフェとして利用されています。

シーバーズカフェの店内から駅方面をみるとこんな感じ。

 

駅舎内にある「シーバーズカフェ」

日立駅を“絶景駅”たらしめる駅舎東端には、展望デッキ(?)部分に隣接してカフェ&レストラン「シーバーズカフェ」があります。いつでも大人気とのことでおそるおそる訪れましたが、奇跡的に待ち時間なく空いてる席に滑り込めました。テーブル席が10卓程度と、海に望むカウンター席が10席ほどあるでしょうか。とても開放的な雰囲気です。

テーブル席スペース。

これは、カウンター席に座った状態での眺望です。ガラスの壁にiPhoneをぴったりくっつけて撮影。完全な水平線が広がっています。

水平線方向は真東なので、さぞかしすばらしい日の出がみられることでしょうね。

私が食べたバターチキンカレー。

連れの妻子がほおばったパンケーキ(?)。

いずれにしろ、とてもおしゃれなメニューです。バターチキンカレーはもう少し辛みが効いていたほうが好みでした。チキンも骨つきでなく、カレーと一緒に煮込まれているタイプの方が私は...

店舗データ

※コロナ禍で変更が多いようなのでご注意ください
営業時間 7:00〜22:00(LO21:00)
定休日 無休

シーバーズカフェ|公式サイト

 

駅舎やロータリーの写真を紹介します

駅の西側から東側(海岸)を眺めるとこんな感じ。両面がガラス張りで、 JR貨物の車庫にもなっている広々とした日立駅と線路群&車両群を悠々と眺めることができます。そちらの好事家にもたまらないスポットですね。

天井はアルミのパンチングメタルで、外光を反射し光の箱の透明感と浮遊感を増幅させています。

 

一部の壁面には、ステンレスの簾(すだれ)?のようなものがかかっています。可動式で、さながらカーテンのよう。メインの役割がなんなのか私にはわかりませんでしたが、夏場は直射日光がガラスの箱の中を突き刺しまくるに違いないので、日差しを和らげるものではないかと想像します。さわるとシャラシャラとして、気持ちが良いです。

これは、シーバーズカフェの壁面にもありました。

 

これは西側の駅前ロータリー付近。

ロータリーを囲む回廊は、片持ち梁にのっかったら絶妙に斜めの屋根で覆われています。このあたりのデザイン性は、デザイン監修・妹島和世ならではと思います。

 

公式サイトから転載

私が日立駅を訪れたのは、奇しくも現在建っている日立駅の10周年プロジェクトの真っ最中。

日立駅西口にある日立駅情報交流プラザ(ぷらっとひたち)では、妹島和世建築設計事務所およびSANAA協力による「妹島和世展-日立駅10周年記念企画展-」が開催中でした。

「ボッコーニ大学 新キャンパス(2013年)」や「NEW NATIONAL GALLERY, LIGET BUDAPEST(2015年)」、近いものでは「深圳市海洋博物館(2021年)」などのラフスケッチや模型が展示されていました。

ラビットチェアもずらっと5〜6脚。やはり妹島建築の中に置かれると、さまになりますね。ただのカワイイイスではなくなる凄みがありました。

 

スポットデータ|JR日立駅

住所 茨城県日立市幸町1丁目1
交通 電車:JR東京駅から「特急ひたち」などで約1時間40分
   車:箱崎JCTから約150km(2時間弱)

遠いね!

 

遠い遠い日立駅でしたが、行ってよかった。

再訪することはないと思うけど、とても印象的な建ものでした。このガラスの箱から家族で海を眺めた記憶は、おそらく生涯消えることはないでしょう。

 

 

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