2021年11月に出てきたまだ見ぬ我が家の概算見積もりは、まさの1500万円オーバー。設計・管理費用の増額分(計算のベースとなる建築費自体が増えるので)や、いまだ決着がつかない地盤改良費用をあわせると超過分だけで2000万円にも届くのではないかという勢い。結果、予算増額をしました。プラス1000万円です。
予算超過に至ったマイナス要因
いろいろ原因はあるのですが、我が家特有の問題ではなく、外部環境も悪かった。
2021年から続くウッドショックの影響
ウッドショック、つまり木材需要増による木材価格の高騰です。直接的な原因は、やはりコロナ禍による米国での住宅建築需要増だとか、いや中国だとか、正確なところはわかりません。とにかく木材価格があがっており、我々のプロジェクトのように組織的ない個別の木造住宅建築が大きな影響を受けています。
その影響度についても正確なところはわかりませんが、120〜130%ほど住宅建材としての木材価格が上がっており、これがそのまま建築予算を圧迫します。
サッシなど木材以外の住宅建材も値上げ
木材のみならず、住宅建築に必要なさまざまな建材も、軒並み値上げとのこと。世界的な半導体不足で、車なんかも新車の納期が1年待ちはザラとのことですが、半導体を使う住宅設備(例/トイレ)も品薄が続いている様子です。そんな状況が価格に跳ね返ったのか、それとも木材高騰に便乗してベースラインをあげにかかってきているのか、とにかく全般的なコストアップは間違いない様子。
▶︎ LIXIL値上げ トイレは2~33%、窓サッシ10~12%
▶︎ 床材・壁紙が相次ぎ値上げ、建築費やリフォーム費に影響も
基礎の大きさ(フットプリントが相対的に大きい)
住宅建築において、基礎にかかるコストが大きいのは周知の事実。同じ床面積でも、地面に接する基礎が小さい方がコストは下がります。つまり、2階建ててあれば、1階と同じ形で上階が乗っかっている、いわゆる”総2階”のような形状が費用は最小となります。
翻って我が家のプランはどうかというと、延床面積は約29坪で、2階、3階(ロフトだけど)と上にいくにつれて徐々にボリュームが小さくなっていくような形状をしています。つまり、同じ床面積の総○階の建ものと比べて、基礎面積(フットプリント)が大きいのです。
この点も、コストが嵩む一つの要因になっています。
地盤改良が必要
これは外部環境というよりも、我が家の予定地に固有の問題ですが、かなりの規模の地盤改良がかかることによる費用増です。
都市計画区域内にある住宅用地であり、もともとは私たちのプランよりも大きな住宅が建っていた予定地。よもや、200〜300万円もの地盤改良費用がかかるとは思ってもいませんでした。でも現実は厳しい。
まだどのような工法でどのような工事をするのか決定していませんが、少なくとも200万円以上はかかるとのこと。残念ですが、しょうがありませんね。
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設計打ち合わせ-6|大幅な予算超過と減額プランの提示
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予算追加に至ったプラス要因
「無い袖は振れない」と言いますが、いくら必然性があっても出せない予算は予算。もともとじっくり検討して決めたはずの建築予算をなぜ増加したのか、し得たのか。それにもいくつか要因がありました。
不動産売却金額の上振れ
まず今回の一連のプロジェクト(マンション売却〜土地購入〜住宅建築〜転居)において、現在居住中のマンション(購入済み)をどのように扱うのかは大きなポイントでした。結局、今現在の市況や短期的なキャッシュフローを考慮して売却することにしたのですが、その売却金額は“最低限”を見積もって当初の計画をたてていました。つまり、建築予算もその“最低限”から導き出したものでした。
その後、当初見積りよりも500万円ほど高い価格で成約したので、そこで多少は余裕が生まれていたのでした。
ニューノーマルの家計が見えてきた
我が家が計画をスタートしたのは、2021年春。コロナ禍真っ只中で、まったく先が見えない状況下でした。ひとつだけ言えることは、良くも悪くも以前と“まったく同じ”にはもう戻ることはないということ。勤めている会社の事業状況、テレワークなどの働き方、子どもたちの学び方、家族との関係性、そのすべてです。
そして、計画をたてた段階では、夫婦どちらも給与3割カット&ボーナスカットという惨状。よくもまぁそんな時に、これまでで一番の大プロジェクトを始めたもんだと思いますが(笑)、子ども転園や進学も考えての決断でした。
その後月日は流れ、、、まだまだ収束の気配は見えない状況ながらも、なんとなく新しい日常の家計が見えてきました。生業(事業)の軌道修正や体質改善による給与改善(月給が戻っただけ)や、妻の転職などにより、これからの収入の目処が立ち始めたのです。
上の様な状況でスタートした計画だったので、実は計画進行中の貯蓄は一切考慮にいれていませんでした。住宅プロジェクトというのはとても長く、我が家の場合も最短で1年半(おそらく2年くらいかかるかな...)です。その間にも段階的に支出はありますが、最後の最後まで引き伸ばせる支払いもあります。つまり、1年半の間に貯蓄可能なお金も計画に含んでもよいのですが、それをしていなかったのです。この分もバッファと言えばバッファです。仮住まいがUR賃貸になったことも、収支計画の良化に貢献しました。
家族ではなく、個人的なライフワーク(趣味)としての自邸建築
私にとって、自邸建築はひとつの趣味です。と言っても遊びではなく、家族の明暗、家計の浮沈がかかっているわけなのですが、とにかくただのライフイベントを超えたプロジェクトです。だとするならば、一般的な予算感をあてはめるだけで良いはずがありません。もっとこう遊興費というかエンタメ投資というか、必要十分な金額を上回る予算組をしてよいのではないかと思うのです。思うのです。。
コロナ禍によって、自宅で過ごす時間が急拡大したことも、「これまで」と「これから」の自邸にかけるコストを異なるものにするでしょう。より過ごしやすく、より働き安く、より楽しめる我が家を手に入れるためには、当然ながら投資が必要です。生活のバランスが変化したわけなので、お金の配分も変えるべきです。住宅にかけるお金を増やすべきです。
さらに言えば、現在住んでいる中古マンションも、私の趣味の延長としてフルスケルトンから工事をしました。結果として、購入金額+工事費用+αの金額で売却ができ、純粋に収支としてもプラスです。さらに居住中の家賃などを考慮すると大幅に“儲かった”ということになります。趣味が実益を兼ねたわけです。今回の住宅は、明確に将来の売却を企図してはいませんが、現住居だってそれは同じです。
建築予算(地盤改良費、設計管理費込み)を1000万円プラスした
ということで、1週間ほど夫婦で検討した結果、1000万円予算を追加しました。とても大きな金額です。
正直少し背伸びをしており、これから先の貯蓄や各種支払いタイミングを考慮した綱渡りの予算組ですが、後で絶対に後悔はしたくないという覚悟を込めた決定です。私ほど住宅建築に思い入れを持っていないだろう妻の、「パッと見でワクワクできる、楽しい家に住みたい!」という、あっけらかんとしたポジティブシンキングにも背中を押されました。最高です。
さてさて我が家のプロジェクト、これでどう転がっていくでしょうか。
ドキドキです。。。
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