自分たちの住宅を建てるというビッグプロジェクト。大プロジェクトにはビジョンとコンセプトをが必要でしょう。この後いろいろと議論や検討を進めていく中で、変化はあるのだろうと思いますが、現時点で考えていることをメモしておきます。
この記事は、コンセプトについてです。
ヴィジョンとは?コンセプトとは?
まず言葉の定義です。この記事中では、こんなイメージ。※再掲
ヴィジョン=大切にするポイント
プロジェクトによって何を実現したいのか、ということですね。大切にする価値観といってもよいかもしれません。具体的な造形のイメージとは直接関係しないものなので、抽象的な表現になることが多いです。
コンセプト=具体化のための方向性
ヴィジョンをどのように実現するのか。それを方向づける具体的なイメージがコンセプトです。こちらも抽象的な表現で構わないと思いますが、聞いた人の頭に具体的なイメージが湧くことは必要です。もちろん具体的な表現ならなおよいし、仕様やデザインに迷った時はここに立ち返って判断できるようなものであるべきです。
我が家のコンセプト|人間は食べたものと読んだものでできている
「人間は食べたものと読んだものでできている」をコンセプトに定めました。このイメージに則って、プラン検討を進めていきます。
少々周りくどいですが、つまりは「よい食事」と「よい読書」が促されるような住宅ということです。
この言葉は、断片的にいくつかの書物で読んだり、表現は違えど著名人のインタビューで目にしたことがあります。そしてなによりも、私がこれまで(まがりなりにも)半世紀弱生きてきた結果持っている感覚そのものです。
幼少時代からどのように食べてきたか。どのような書物を読んできたか。それが行われた環境や影響を与えた人々も含め、その2つのことが人格形成に大きに関わっています。というかほぼ全て。
ヴィジョンに立ち返ると、まず重要なのは「“子育て”に良い影響があること」でした。
究極のビジョンは「家庭円満」なのですが、さすがにバグっと過ぎている気がします。なので、これをもう少しだけブレイクダウンした結果、子育て・親族・建もの、という3つのキーワードに収束しました。
https://tatememo.jp/article-0019
その意味で、「食べること」と「読むこと」を楽しめる家を作ることが、ひとつの解として考えました。
親族との交流も、もっぱら食べることを介して行われます。みんなが集まって食卓を囲み、美味しい物を食べることは何にも代え難い家族の時間です。
そして建ものの面白み。私は一般的なリビングというスペースにあまり重きを置いていません。リビングといえばテレビとソファですが、みなで同じ物を見るよりも、ダイニングテーブルで視線を交わしながら会話を楽しみたいと思います。一方で各自が自分のしたいことをするようなシーンも多くなると思いますが、各自の部屋に閉じこもってやるのではなく、同じ部屋でイスを並べてそれぞれ黙々と作業をしたい。
そんなことを考えています。
食べたもの=ダイニング、キッチン、テラス
家族のコミュニケーションの中心はダイニングです。またはそこにいたる前段階のキッチンです。我が家はみんな食べることが大好きで、料理をすることも好き。お酒も好き。お菓子も好き。子どもたちはお手伝いがしたい盛り。来客も大好き。
とにかく家で一番長い時間をすぐ場所として、居心地のよいダイニング&キッチンを作りたいと考えています。今でも、子どもが寝静まった後の夫婦の団欒(晩酌)はダイニング。住人が自然と集まり、ついつい長居してしまうような場所ができるといいな。
そしてキッチンは、家中で一番クリエイティブな場所。たくさんのお皿と調理器具をぶんぶん振り回して、調理を楽しみたい。
ちなみにテラスは、拡張されたダイニングです。夜、雨音をききながらお酒を飲みたい...
読んだ物=ワークルーム、書棚、イス
未来の我が家に広いリビングはいらない代わりに、広大な家族全員のワークルームを作りたい。家族4人がそれぞれ机にいろいろ広げて作業をしていても邪魔にならないような広さの部屋を。
もちろんそこには見た目も収納力も抜群な書棚があるべきだし、座り心地のよいイスも不可欠。さらにはキッチンまでいかずともコーヒーが入れられるよう、ミニキッチンもあるとよい。周囲の音はある程度シャットアウトしてくれる気密性は欲しいけど、なんとなく部屋の外の家族の雰囲気も感じ取れれば、なお良い。
もちろん夫妻の在宅ワークを念頭においた構想だけれど、近い将来子どもたちが宿題や受験勉強をやるようになった時、肩を並べて一緒にワークするのも面白い。子どもの宿題の手伝いはもちろん、仕事のヒントを子どもたちからもらうことだってできるはず。
親子を問わず、自宅でのワークはこれまで以上に増えるので、そのための最高な場所を作りたいと思います。
そしてイス。
ワークルームに限らず、キッチン、ダイニング、庭、玄関、トイレ、さらにはお風呂の中など、あらゆるところに読書を促す&捗る仕掛けを施したい。オープン&クローズ、広さ&狭さ、明るい&仄暗いなど、いろんなシチュエーションをつくっておきたい。
このコンセプトはすでに建築家に伝えましたが、あわせて「家のいろんなところに書棚が欲しい」ともお願いしました。
ふとした瞬間に目につき、なんの気なしに手にとってページをめくる。そんな行動を、そんな予期せぬ出会いを促すために、いろんな工夫をしてみます。
コンセプトを実現するにはどうしたよいか
どうしたらいいんでしょう。
今のところの結論は、ヴィジョンの実現にむけた3つとまったく同じ。
- よい建築家と仕事をすること
- よい依頼をすること
- トラブルに粘り強く対応すること
がんばります〜
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