建てメモ

緑に包まれて暮らす七角形の家|渡辺篤史の建もの探訪2021年9月25日

毎週土曜の「渡辺篤史の建もの探訪」視聴は、建もの好きのルーティーン。2021年9月25日(土)は、“緑に包まれて暮らす七角形の家でした。建築家の両親のために建てられた感じの良い戸建て住宅です。
七角形というと奇抜な建もののようですが、実物はとても落ち着きのある“終の住処”としてふさわしい住宅。それでもテラスの作り方や階段など、建築家が手がけた住宅らしい工夫や魅力がつまっていました。

※掲載画像は番組公式サイトからの転載です

 

2021年9月25日(土)|緑に包まれて暮らす七角形の家

建もの探訪WEBアーカイブから転載

千葉県松戸市・白石邸です。
※以下のデータは、番組公式サイトからの転載

  • 完成:2019年8月
  • 敷地面積:144㎡(44坪)
  • 建築面積:73㎡(22坪)
  • 延床面積:96㎡(29坪)
  • 建築費:3100万円(税込)
  • 坪単価:107万円

年老いた夫婦が二人で住むこの住宅の建築設計は、[白石圭 + 中島壮 + 橋本圭央]の3名によるもの。施主は白石圭さんのご両親とのことですから、中心的な役割は白石圭さんが担われたのでしょう。

 

北小金の家

★建築事務所サイトから転載(撮影:本城直季)★

白石圭さんは、1977年生まれ。東京藝術大学美術学部建築家を卒業されたのち、2008年にはCranbrook Academy of Art Dept.of Architecture(M.Arch) を修了されています。その後は、あの永田昌民さんのN設計室で2009年〜2011年の勤務を経て、2011年にご自身のS設計室を開設されました。

今回紹介された「北小金のいえ」で、2020年の東京建築士会住宅建築賞を受賞されています!

そして事務所のサイトやメディアで掲載されいてるS設計室のプロジェクトを見ていて驚いたのが、[撮影:本城直季]というところ。”Small Planet”をはじめて書店で見かけた時は、しばし時を忘れて見入ってしまった記憶があります。

本城直季さんは建築写真家ではないですが、なるほど彼が撮る建築写真はこうなるんだなー、とS設計室の写真を穴が開くほどみています(真っ最中)。

S設計室|S DESIGN STUDIO

本城直季 NAOKI HONJO

 

一見普通だけどよく見ると独特の七角形

建もの探訪WEBアーカイブから転載

こんな感じで、一見普通の住宅ですが、この家の形は七角形。

テキストで書くと、かなり尖った(七角形だけに)印象となりますが、年老いた夫婦が過ごしやすそうな、落ち着いた雰囲気の外観&外観です。このギャップが面白い。

 

住んでいるのは建築家の両親

建もの探訪WEBアーカイブから転載

この住宅にお住いなのは、建築家・白石圭さんのご両親。白石圭さんが1977年生まれなので、70代前後のご夫婦でしょうか。七角形ということで、居室のカタチはあちらこちらへ斜めに切り取られていますが、どこも使いやすそうなサイズです。

建もの探訪WEBアーカイブから転載

七角形の窪みにはテラス=ウッドデッキが設けられていて、ちょっと表に出て風を感じる気持ち良いスペースになっています。

 

落ち着きのある空間に光る、建築家住宅らしいディテール

もちろん建ものの中には、”落ち着き”と一緒に、エッジの聞いた建築家らしいデザインが随所に。

私が特に気に入ったのは、サニタリーエリア→浴室→屋外の導線、そして浴室自体のデザインです。洗い場を通路のように使うことができてとても通風が良さそうで、さらに湯船につかってても気持ちよさそう。シャワーとバスタブが直角の位置関係になるのには少し抵抗があるのですが、それを補ってあまりある感じの良い浴室です。

さらには屋根の形状や天井の材、収納してリビングを広く使える階段の1〜3段目など、多くの気になるポイントが。

飾りのためのディテールではなく、住む人やライフスタイルを考慮したうえでのデザイン。とても感じの良い住宅です。

 

東京藝代&N設計室出身の建築家が建てた、両親の終の住処。いろいろな要素や想いが高次元に調和した、とてもすばらしい住宅でした。

 

<画像転載元>

番組公式サイト緑に包まれて暮らす七角形の家

S設計室|北小金のいえ

 

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